「栃木ペイズリー」とは
栃木レザー株式会社より北米産のステア革をミモザのタンニンエキスでゆっくり鞣し動物オイルをじっくりと浸透させた艶のある2mm前後の栃木レザーオイルヌメ革をベースに大阪の革メーカーに協力してもらい型押しの別注依頼をかけペイズリー柄の型押しを250デシ前後の半裁の大判レザーに型押し職人が丁寧に刻んだオリジナルの革になります。
栃木レザー株式会社のベジタブルタンニンヌメ革をベースに使うと言う贅沢な話
B級・C級と呼ばれる傷モノの革やグレードの低い革に型押しを行い新たな息吹を与えるのが通常の型押しになります。今回わたしたちが取り組んだのは最高級の革を使った他にはないオリジナリティをだすことでした。そこで目をつけたのが栃木レザー。国内はもちろん海外でも高い評価を得ている本格的なオイルタンニンヌメ革です。高級と言われる部類に属する美しさと力強さがある栃木レザー株式のヌメ革に敢えて型押しをするわけで、私が知る限りほとんど見たことも聞いた事もありませんでした。もちろん、革職人さんも革メーカーさんも型押しの職人さんも栃木レザーのオイルタンニンレザーへの型押しは初めてと言う事で仕上がりには期待と希望しかなくドキドキものでした。
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「ペイズリー型押し」について
型押しには大型のプレス機と型の原板が必要になるため専用工場に依頼します。なかなか個人や一見さんではそこまで融通も通りません。そこで大阪浪速区にある革メーカーさんの協力を仰ぎ、栃木レザー株式会社の革を持ち込んで半裁サイズの革にペイスリーの型押しを刻んでもらいました。その工場ではすべての工程を手作業で行い、熟練の職人さんが経験をもとに一枚一枚丁寧に手作業で型押しを行います。今回は贅沢にも栃木レザーにプレスしたので他にはなオリジナルレザーに仕上がっています。
聞き慣れない型押し職人
まずは革の厚みや固さ測り、伸びがあるかなどの伸縮度合いもチェックしてその革に合った熱や圧力、プレスする時間を熟練の職人が経験で計算します。そして230dsサイズ(約250cm×120cm)の一枚革にオリジナルのペイズリー柄原板を使い型押しをします。ただし、大判の原版を使いますが、2mを超える版などなく、革を何度もスライドさせ、柄のつなぎ目を合わせていきます。この技術こそが型押しに欠かせない職人技です。
拍手喝采
栃木レザー株式会社のベジタブルタンニンヌメ革をベースに使うと言う贅沢な話という事でその仕上がりは誰もが初めて見るわけです。その不安と楽しみが入り混じった感情のなか数週間、この瞬間誰にも邪魔なんてさせないと言わんとばかり、完成したモノがやってきました。紙をほどき全貌が見えた瞬間。その仕上がりの素晴らしさに思わず一同拍手喝采。オイルタンニンレザーのしっとりと滑らかな表面に雰囲気のあるペイズリーの陰影が生まれ抜群の深みがそこにはありました。
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